コルヒチン
コルヒチンは服用して血中濃度が上がり効果が出るまで2〜3時間かかり、少なくとも5〜6時間は持続します。一気に血中濃度をあげると副作用が出やすくなるので、1日6分割まで可能で服用する事で急激な血中濃度上昇を避け副作用を防いだり軽くすることが可能です。
有名な副作用では消化器症状(下痢・おう吐)、脱毛、白血球減少、肝機能障害、咽頭痛、蛋白尿などがあげられます。長期に渡り服用を続けていくうえでコルヒチンの副作用を確認するためにも定期的な検査、3か月ごとの効果の査定が必要になります・またこれらの副作用は服用中止や服用量を調整することで改善されます。コルヒチンに限らず、長期間服用を続けていた薬を急に完全にやめてしまう事でリバウンドの危険性があります。安全の為にも主治医と相談の上、少ずつ減薬をしていく事が望ましいと思われます。またコルヒチンの服用を始めると血液や肝臓に副作用がでていないかの確認の為に定期的な検査が必要となります。
「コルヒチンの副作用で下痢してしまう」「下痢が酷くて仕事が出来ない」そんな悩みを抱える当事者も多く切っても切れない「家族性地中海熱VSコルヒチン」問題ですが、ここ最近とくにコルヒチンの副作用が原因ではない下痢・消化器症状で悩む当事者が増えてきています。そんな当事者の声を聞いてみると「脂質が高い食品でおなかを壊す」「急に乳製品・刺激物がダメになった」「発熱発作以外でも腹痛、下痢がある」など共通する部分が多い事に気づきます。それは大腸や小腸といった消化器疾患の症状です。症状のところでも書きましたが「家族性地中海熱の腹痛は漿膜炎」が原因で下痢、下血といった症状は特殊な場合を除いてありません。「消化器は臓器」「漿膜は組織」です。
そこの部分での誤診が非常に増えているので、もし家族性地中海熱と診断されて下痢、下血などの消化器症状がある場合は診断見直し、炎症性腸疾患などの識別が必要になります。
※「効果あり」とは発熱発作がなくなることを意味します。非典型例ではなかなかそこまでの効果を得るケースが少ないため実際には「少し発作期間が短縮した」「今まで39℃以上でていたのに38℃台になった」等、少しでも良い方に変化があれば本来期待される効果でなくても「効果あり」と判定され服用継続となります(今後変更あり)
イラリス
抗IL-1β製剤「イラリス(カナキヌマブ)」は、コルヒチンの補助薬という位置です。他の生物学的製剤に比べ、ヒト由来の薬剤のため副作用は少なく、抗体ができにくいので一度中断しても再開できるといわれています。イラリスを導入してもコルヒチンを中止することは、アミロイドーシス予防のためにお勧めできません