本文へスキップ

不明熱と自己炎症性疾患

 

自己炎症疾患を疑う前に

 自己炎症性疾患の中でも周期熱疾患の症状は膠原病など多くの疾患にも当てはまるため、自己炎症を考慮し疑うときは考えうるあらゆる可能性の精査識別が終わって、それでもなお原因が不明の場合となります。この診断前の識別が甘いと見逃しや誤診につながります。不明熱が受診のきっかけになる患者さんが多いと思いますが、不明熱の識別の段階での間違い勘違いの多さが問題となっており成人では不明熱の診断精査に強い総合診療科、膠原病内科、免疫リウマチ科が主科となります。

   

不明熱の精査

不明熱は
1)38.3℃以上の発熱が3週間以上持続
2)3 日間の入院精査あるいは3回の外来診療で原因が不明のもの
と定義されます

3週間以上というのは,急性一過性のウイルス感染症を除外するための基準です
また38.3℃というのは口腔内の温度で、腋窩温度であれば38℃以上と多少度低い体温に相当します

  

自己炎症疾患と誤診されやすい疾患

膠原病
自己免疫疾患
感染症など

家族性地中海熱、TRAPSで誤診が多いのは多いのは線維筋痛症、慢性疲労症候群、高体温症、薬剤性発熱、ホルモン関係です。コロナ禍ではストレスによる心因性発熱、自律神経による発熱の患者さんが自己炎症疾患と誤診されるケースが増えました

  

識別や精査は診断後も常に必要です

家族性地中海熱は喉のリンパは腫れないですし、下痢下血といった消化器症状はないです。もしそうした症状がでるときは「喉のリンパが腫れる=PFAPAなどの他の自己炎症疾患、または他疾患を疑う」「消化器症状がある=炎症性腸炎や他疾患を疑う」といったように典型的でない症状がある時、出てきたときには常に他疾患を疑って識別や診断見直しが必要になります。まだまだ研究途中ですべての情報が出そろっていないのが自己炎症の現状です。自己炎症疾患は診断後も常に識別を繰り返す必要があります。

  

正確で新しい情報を参考に


   

SNSやネットでの情報収集で気を付けること・気を付けたいこと

   

ナビゲーション