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熱型表の使い方

 

熱型表とは

熱型表は体温表という名称でも呼ばれています。女性の方には基礎体温表と言えばわかりやすいかもしれません。
今は様々なサイトで体温表をダウンロードすることが出来ます。またノバルティスファーマ株式会社作成の周期性発熱用体調管理ノート「レコノート」があります。レコノートは主治医から患者さんへ渡すものなので、必要な時は主治医の先生からもらうことができます。

レコノートは2つのサイズがあります。必要に応じてつかってみてください!
   

代表的な周期製発熱を呈する自己炎症疾患の熱型

 自己炎症性疾患の周期熱は一度、発熱発作が起きると発作終了まで解熱しません
また発作期間以外の間欠期は発熱はありません。次の発作まで平熱が続くのが特徴になります。長期間続く発熱や解熱剤が効果のある発熱の場合は自己炎症性疾患以外の疾患を考えます


  

自己炎症疾患と誤診されやすい疾患の熱型

 熱型  特徴  
 稽留熱  日内変動(日差)が1℃以内の高熱  腸チフス、肺炎、脳炎など
 弛張熱
(スパイク熱)
 日内変動が1℃以上の高熱で、低い時でも37℃以上あるもの  腎盂腎炎、可能性疾患、膠原病、血管炎、敗血症など
 間欠熱  日内変動が1℃以上の高熱で、低い時には37℃以上になるもの  腎盂腎炎、熱帯熱マラリア、胆道感染症など
 波状熱  有熱期と平熱期が不規則にくりかえされるもの  ブルセラ病など
 周期熱  規な周期と発熱期間が繰り返されて、有熱時以外は平熱のもの  家族制地中海熱、PFAPA、三日熱など


          

治療に生かすための記録と熱型表

 熱型表について皆さんはどういった記載方法をされているでしょうか?できれば体温は1日3回測定できればいいのですが、お仕事をしている方は昼の検温は難しいという方もいるのではないでしょうか?熱型表は毎日記録するものなので無理せず1日2回の計測でもいいと思います。計測した体温は折れ線グラフで記入し、熱の形、継続期間、発熱の間隔などをチェックします。
症状に関しては○、×方式、数字で痛みの強さを記入するなど、それぞれ記入しやすい方法で記録されている事と思います。

各自にあった記入方法が一番ですが、ここでは一般的に使われている書き方をご紹介したいと思います

  − ・・・痛み・症状はなし
  + ・・・少し痛い・少し症状がある
  + ・・・痛い・症状がある
  ++・・・とても痛い・症状がひどい
    
  

レコノートの活用

 レコノートは「患者(患者家族)⇔主治医⇔学校など」をつなぐための体調管理ノートです

詳しくは「メディカルノート FMF啓発サイト」医師とのコミュニケーションに使えるレコノート
の動画をご参照ください

※音声が出ますのでお気を付けください
  

受診時の工夫

 熱型表(体温表)には体温だけでなく症状、気になった事などを記録しておく事も重要になります。検査数値には反映されないけれど続く症状等、患者さん本人にしかわからない事はたくさんあります。患者さん本人しか記録する事ができない貴重な記録です。是非とも記録をし、その記録をもとに主治医の先生と検討して今後の対策や治療に活かしてください。

ここでは基本項目とチェックしておきたい項目をご紹介します。

熱型表の基本項目
1:日付
2:体温(できれば1日2回朝晩)
3:内服薬と服用量

記録しておきたいチェック項目
1:関節痛
2:筋痛
3:腹痛
4:胸痛
5:頭痛
6:咽頭痛
7:頭痛
8:口内炎
9:皮疹(湿疹・紅斑・紫斑等の皮膚の異常)
10:神経系の異常(目の症状・耳の症状など)
11:発作のきっかけとなりうる事柄の有無(運動・アルコール・月経・ストレス・紫外線など)

上記全ての項目をチェックする必要はありません。

 自己炎症疾患は症状も経過も個人差が大きく、人によっては出る症状・出ない症状があるので頻繁に起きる症状、自分にとって重要と思われる症状の項目を選んで記録してください。もしチェックしておくべき項目に迷った時は是非主治医に相談してみてください。主治医は各患者さんの経過を知っているので、必要と思われる項目を教えてくれるはずです。また主治医はどの項目を気にしているかを知ることで、気にする理由・気にしておくべき事柄もわかると思います。主治医とのコミュニケーションツールとして熱型表は活用できます。同時に症例が少ない自己炎症疾患において、実際の当事者の経過記録が今後の研究にも役立ちます。熱型表の記録は「自分の為に自分ができる事」であり、今後の研究の進展にも繋がります。毎日のチェックが面倒という方もいると思いますが、ぜひ活用してください。
   

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